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【発達障害】運動療法の実際 スモールステップの重要性【運動療法】

投稿日:2017年4月6日 更新日:

 

私は発達障害の療育に関わっています。療育では運動療法を担当しています。

発達障害の運動療法で、どんなことをするのか。

簡単に紹介します。

 

不器用さにアプローチ

DCD = 発達性協調運動障害

つまりは、「不器用さを持っている」ということです。

発達障害を持つお子さんのほとんどに見られる症状です。

もちろん、障害の程度にもよるのでしょう。知的能力が高いほどDCDの程度は軽いような気がします。

しかし、就学前の小さいお子さんには、DCDの傾向が強く出ているように体感しています。

その「不器用さ」にアプローチしていくことが1つ。

  • ケンケンできない
  • キャッチボールできない
  • スキップできない
  • まともに走れない

などなど。不器用さという言葉には手先のことがイメージされます。しかし不器用さとは、手先の作業だけではなく身体全体のことも含んでいます。

話は逸れますが、作業療法士だから手先のことを練習させる、って訳ではありません。「作業」というイメージから、よく手作業と勘違いしてる方がいます。生活動作や活動もみますし、運動機能もみます。

 

話を戻しまして。

一般的に、5歳で出来るようになったことは、6歳になると成熟されます。より滑らかに、無駄な動きが無く、パフォーマンスが上がります。片足立ちの時間が伸びる、ケンケンの回数が増える、キャッチボールが上手になる、など。

つまり、5歳で獲得されて出来るようになったことのレベルが上がります。

不器用さを持つお子さんは、動作の獲得が難しい。獲得しても滑らかに動くことが難しい。そんな状態です。

不器用さ(DCD)の原因は色々あります。過去の記事に書いてますのでそちらをご覧ください。

【発達障害】発達性協調運動障害のお話 ( Developmental Coordination Disorder = DCD )【運動療法】

 

分析と目標とアプローチ

まずは動作分析から。

出来る動作と出来ない動作をみて、得意な所・不得意な所をピックアップします。

なぜその動作が出来ないのか。どこに問題点があるのかを分析します。

問題点は様々で、筋力や筋緊張、注意の持続や配分、分離運動や協調運動、動作の組み立てや継次処理など。たくさん挙げられます。

どの程度改善が見込めるのかを評価・分析し目標を立てます。

一般的な目標と順序としては、まず動作を獲得出来るように促して、獲得できた動作を習熟させていきます。次に、応用動作や継次運動処理を促していきます。

では、どのように改善していくのか。

問題点である一つ一つの要素に、改善・向上できるようなアプローチをしていきます。

筋トレや動作訓練など、いわゆるリハビリテーションで用いる「機能訓練」の手法も使います。

しかしこれでは上手くいきません。なぜなら相手が「子ども」だからです。

まず指示が入りません。入力⇒理解⇒実行までの間に躓きがあります。

  • 耳に入るのに聞こえていない。
  • 返事はするけど実行できない。
  • やろうとしている途中に目に入ったものに注意を奪われる。

などなど。

指示が入ったとしても、実行段階では不器用さがありますので、なかなか上手くいきません。

では、どうするのか。

アプローチは遊びを使う

「遊び」を使います。

ここで勘違いされやすいのですが、ただ遊ばせてる訳ではありません。

狙う動作を引き出して、筋力や注意力や協調動作などを遂行してもらいます。

それも楽しみながら。

楽しめることで活動(遊び)は継続されます。

楽しむためには、エンターテイメントな要素や達成感の要素などを取り入れると良いです。

つまり、「受けが良い」ことを狙っていきます。

「受けが良い」だけでも構いません。心を掴めると、動作を狙う遊びをしてもらいやすくなるからです。

動作(遊び)は、単純に反復してもらえると手っ取り早く獲得できるようです。

高齢者の立ち上がり動作訓練と似ています。繰り返し動作することで、必要な筋肉の働きが強くなったり筋力が上がったり、バランスが向上したり。

もちろん、同時進行で他の弱点を改善していくことが必要です。

実際はもっと複雑に問題点が絡み合っているので、そんなに簡単なものでもありませんが、大体こんなイメージをもってもらえると良いかもしれません。

 

動作が獲得できたら、少しずつ介助量を減らせるように、課題設定していきます。

 

スモールステップが重要

遊びでは課題設定が重要です。

スポーツにルールがあるように、遊びにもルールが沢山あります。

しかも遊びには、スポーツのルールにはない暗黙の了解も多いです。

さらに遊びは、遊んでいる中で発展していきます。新しいルールが追加されたり、まったく違う遊びに変わったり、いきなり終了したり。

集団での遊びでは、そのような要素が強く働きます。

  • 遊び方
  • 順番を守る、相手を待つ
  • コミュニケーションを取りながら
  • 足並みを揃えて
  • 意図を汲み取りながら
  • 表情を読みながら

など。

私はマンツーマンで運動療法をしていますので、遊びもマンツーマンになります。マンツーマンでも遊びは発展します。

その中では、遊び方・遊ばせ方が重要です。つまりは課題設定が大事ということです。

簡単にクリアできるレベル設定からギリギリクリアできるレベル設定までを考えて提供します。

例えばケンケンをしてもらうと・・・

  • 片足立ちの姿勢を保てない
  • 片足で跳び上がれない
  • 跳んでいる姿勢が保てない
  • 着地時に踏ん張れない
  • 着地から姿勢を立て直せない

などなど。こんな動作になっていることが多いです。

ケンケンを獲得していくためには、一つずつ課題をクリアしていき、動作学習をしてもらいます。

しかし、ただ闇雲に行っていても獲得は難しいでしょう。

介助をしながら、少しずつ動作を学習できるように促していきます。

  • 片足立ちの姿勢を保つために手を持ってあげる
  • それでも保てないなら、足を持ってあげる
  • 跳び上がるために上方向に引っ張る介助をする
  • 跳んでいる姿勢を安定させてあげる
  • 着地時に踏ん張れる介助をする
  • 着地時に姿勢が崩れないように支えてあげる

 

などなど。程度や動作の状態を見ながら、介助の量を決めます。

簡単にクリアできるレベル設定だと、すぐに飽きてしまいます。

難しすぎてクリア出来ないレベル設定だと、チャレンジしなくなります。

ギリギリクリアできるレベルから始めると、クリアできるまでに時間がかかるのでチャレンジしなくなります。

簡単なことから始めて、獲得状況に合わせて少しずつ難しく設定を変えていく。

さじ加減ですね。

これが上手くハマると、子どもさんは楽しく遊べたと感じてくれます。

すると、次回にも「やりたい!」という気持ちが生まれます。

この気持ちが凄く大切です。

達成感を感じることと、出来たという結果がセルフエスティームを育む。

これを引き出すことが出来ると、伸び率が違ってきます。

これは子どもの療育でもそうですが、子育てであったり、後輩の教育であったり、色んなところに当てはめることができます。

少し意識してみると面白い結果が出せると思いますよ。

 

 

 

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