バイザーが実習生に対して考えている5つのこと

作業療法実習
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実習生を受け入れ始めて数年が経ちました。色々な学生がいて、性格は様々。喋って学ぶタイプもいれば寡黙にコツコツ学ぶタイプもいる。あまり学びたくないタイプもいます。

色々な学習の仕方があるし、バイザーはそれに合わせた指導の仕方を考えていく必要があります。

さて、バイザーは学生に対してどのように考えて対応しているのでしょうか。

今の実習では、養成校から提示される最低限のマニュアルはあるものの、実際には実習地に任せている点が多いのではないでしょうか。もちろんバイザーと養成校教員との間で密なやり取りをしています。

 

私が学生の頃には「バイザーの当たりはずれ」とよく言われていました。それは「合格・不合格(=留年)」ということです。実習地のレベル・バイザーの求めるレベルに到達できなければ不合格。というニュアンスです。

今は学生のレベルに合わせてバイザーが指導を変化させていく。というニュアンスでやっています。不合格にはなりにくい学生評価項目に変わっています。良い時代になりました。ただし、これでは合格の基準が不明瞭になってしまいます。例えば、ゴールする水準を下げてしまうことで、最低限獲得していかなければならないものを獲得しないまま合格するということ。

筋力評価が正確にできないまま、統合と解釈が書けないまま、治療の解釈ができないまま、実習が終わってしまう。そのまま国家試験に合格すると療法士として働くことになります。もちろん実習後の学内学習や就職後の新人研修など、学ぶ場はたくさんあります。実際に患者さんに接していく中で壁にぶつかって、乗り越えていくために学習していくこともたくさんあります。そうあれば良いですね。

バイザーの役割はそこだと思っています。臨床に出て療法士として働いていく時に壁を乗り越えていくための方法を教えていくこと、壁を乗り越えていく面白さを教えていくことです。

 

Contents

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1.楽しく仕事をする

何より療法士という仕事がどれだけ楽しいか、そんな印象を与えることが大事です。そのためには仕事に取り組む姿勢をどう見せるのか。楽しく仕事していく姿を見せることは、楽しく学ぶことを見せるということ。バイザーも壁を乗り越えていきます。そのために日々勉強しています。それを楽しくしているのは主体的に動いているからでしょう。これは次のテーマにもなります。学生に楽しんでもらい壁を越えていくためのマインドづくりをしていきたいですね。

2.主体的に動く

させられるのではなく「自分からする」を引き出すことです。当たり前ですがバイザーは仕事をしています。言われたことをするだけの仕事ではなく、その仕事の精度を上げていく、事業を盛り上げていく、色々なことを考えて仕事をしているのです。もちろん、主体的に動いていますよね。

学生さんの立場として主体的に動くとは、次にあげるような単純に「対象者に関わる」「勉強を頑張る」「レポートを仕上げる」「調べ物をする」といった行動です。

3.対象者に関わる

バイザーに指示をもらうことはとても大事ですよね。指示がないのに勝手に動くことはNGです。バイザーに指示をもらってから対象者に関わります。

『〇〇さんのトイレでの立ち上がりが難しいのは左足関節背屈の可動域制限が問題だと思うのですが、どうですか?』

なんて質問してみたりして、改めて動作を見せて頂いたり。もし患者さんに協力頂けるなら、可動域測定させていただきましょう。

積極的に関われるように前のめりの姿勢をアピールしましょう。

私の事業所では子どもが対象者になります。子ども達と一緒に楽しく遊んでもらえると、それが子ども達の発達に繋がります。嬉しいことですね。

4.評価をする・考察を理解する

子ども達と関わることはできていて、与えられた評価を実施することはできる。それでも、

  • なんのために子ども達と関わるのか
  • どうやって子ども達と関わるのか
  • 子ども達は将来どうなっていくのか
  • 具体的な関わり方は…

これを考えなければなりません。評価をしても考察ができないといけないんです。逆に

考察を良く考えられても評価をして裏付けをとらないと考察にはなりません。

書き方はSOAP法なのか、MTDLPシートなのか、他の方法か。それが次のテーマ。

5.アウトプット

どれだけ理解していても、それを相手に伝えられなければ価値は半分。私達は説明すること、伝えることが大事な仕事です。

伝える手段はレポートです。そしてレポートはバイザーとのコミュニケーションです。今どのくらい理解しているのか、あとどのくらい内容を深めるのか。バイザーは見たらわかります。

実習が終わって学校に戻ったら、実習後学習というものがありますよね?そこで症例発表をしたり、小児分野で固まって話をしたりします。アウトプットする場面ですね。

自分がどんなことを学んできたのか、症例に対してどう評価してアプローチしたのか、結果はどうなったのか、残る課題はなにか、など。これまでレポートでしてきたアウトプットをレジュメやプレゼンテーションにまとめて発表する場です。

まとめ

バイザーが実習生に対して考えていることを書いてみました。

大枠では、学生がどう伸びるかを見ています。バイザーは学生の能力を伸ばすために動いてます。

できれば一定の水準まで能力を上げてほしい。症例に対して評価と治療まで組み立ててほしい。

最近は症例レポートを書かずに、デイリーノートだけをまとめていく形が主流になりました。

時間をとられなくなったその分、論文を調べたりノートにまとめる時間として、内容を深める方に時間を有効に使っていく必要があるでしょう。

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