【発達障害】発達障害児の運動療法の実際 よくある特徴のお話 ① 筋力の弱さと筋緊張異常【運動療法】

発達障害
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私は発達障害の療育に関わっています。療育では運動療法を担当しています。

これまで取り組みを続けてきた中、発達障害を持つお子さんに共通して見えてきた特徴や特性をご紹介していきます。

施設に見学や体験に来られた保護者の方に、お子さんの特徴について説明すると、高確率で「そうだったんだ!」「そんなのあるある!」って感じになります。

「へー」って思ってもらえると嬉しいです。

 

Contents

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前提にはDCD

運動療法がテーマなので、身体の使い方の話になります。

運動療法を提供する理由には、DCD(発達性協調運動障害)があります。

やはり、全般的に身体の使い方がヘタなお子さんが多いです。

  • キャッチボールができない
  • ケンケンができない

など、手や足の使い方がチグハグ、体幹下肢の安定性が低いといった要素を持っています。

 

特徴

本来のアセスメントは、色んな動作や遊びをしてもらいながら機能的な弱さを探ります。

ここでは機能的な弱さから、どういう特徴があるかをご紹介します。

筋力

単純に筋力が弱い。子どもなので筋力がどのくらいあるかは、大人と違ってなかなか測りにくいものですが。

例えば、

  • すべり台を駆け下りたとして、地面に着いたところで転ぶ
  • ジャンプからの着地で尻もちをつく

これらは膝の筋肉やお尻の筋肉が弱いと考えられます。もちろん一概には言えません。

転び方にもよりますが、体重を膝やお尻の力で支えることが難しい場合、こういった場面で転びやすいです。

 

筋緊張

我々は、筋肉に常に力を入れている状態で、それを無意識化でコントロールしています。

これを筋緊張といいます。

適切な張力をコントロールできているからこそ、筋肉が伸びたり縮んだりして滑らかに動作することが出来るのです。

それでは、筋緊張をどこで、どうやってコントロールしているのか。

前庭、基底核・扁桃体、運動野など、筋緊張をコントロールするための機関が沢山あります。詳しくは検索してみてください。

発達障害を持つお子さんは、この筋緊張に問題を抱えている場合が多く見られます。

発達障害には、基底核の未発達や扁桃体の未発達などが関係していると、研究により分かってきたそうです。原因の一つとして考えられています。

特に扁桃体については、様々な感覚刺激が入力される部位です。

ドーパミンやノルアドレナリン系の入力もされる部位です。側坐核を通って前頭葉に投射している繊維もあります。

運動にも関与していることがわかります。

 

少し話が逸れました。

要するに、筋緊張のコントロールが上手くいっていないということが予測されます。

筋緊張が高い状態や低い状態と表現しますが、筋緊張が低いお子さんが多いように感じています。

「緩い」と表現していますが、力が入っていない様子で姿勢がグニャグニャしていたり、関節が通常の範囲以上に曲がったり伸びたり、非常に特徴的です。

特に姿勢では、筋肉の力を使わずに立位保持するため、膝を伸ばしきった状態で、内股になり、骨性のロックを使って骨盤を安定させようとします。

座位では長時間の保持が難しく、姿勢が崩れやすいためすぐに背もたれに身体を預けてしまいます。

逆に筋緊張が高い場合は、腱反射が亢進している症例が多いです。

大体の場合、下肢の腱反射が亢進しています。

大腿四頭筋腱やアキレス腱反射が多いです。

これは諸説ありますが、筋緊張が低いために姿勢を支えにくいことをカバーするために、特定の筋肉を過剰に働かせることで姿勢を保持しようとする代償行為が原因という説がしっくりきます。

動作学習が弱いことも加えて、過剰な努力で筋肉を働かせることを反復的に行ってきたために、筋緊張が亢進している、と言えるのではないでしょうか。

つま先立ちで歩くお子さんはこのパターンであるとも思われます。

アキレス腱反射が亢進しているお子さんの半分くらいはつま先立ちの傾向がある、もしくは過去につま先立ちの傾向があった、という傾向でした。(あくまで私の経験上、体感的なものです。)

靴を見ると、つま先部分が削れている場合が多いです。

将来的に変形や痛みの出現、可動域制限などに繋がらないように、早めから予防していきたいです。筋緊張が高い場合にはそれを抑制するためにストレッチをしたり、過剰な努力を必要としない動作学習を促していくことが、効果があると考えます。

 

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