Contents
ASD児に時々にみられる過敏性について
- Tシャツのタグがカサカサして気になる(触覚過敏)
- 掃除機の音やドライヤーの音など、特定の音が気になって集中できない(聴覚過敏)
- 蛍光灯がチラついて見える、光がまぶしく感じる(視覚過敏)
- 白米しか食べない(味覚過敏)
- 匂いがとてもキツく感じてしまう(嗅覚過敏)
などなど。他にもたくさんあります。
程度にも差はありますが、強すぎる場合はどうしても避けられないほどの偏食やこだわりなどに繋がりやすい特性です。
保護者さんからは「育てにくい」と相談されることもあるくらい、時に難儀になることもあり。逆に特性を上手く活かすことで職業として物凄いスキルとなる場合もあり。
鋭い味覚と嗅覚を活かして、コーヒーの焙煎をしている方もおられます。有名ですね。
逆に、とても鈍感な場合もあり、それを感覚鈍麻と呼びます。
過敏性の原因
- 大脳白質の問題
- 脳梁の問題
- 触覚の閾値が低い
- 防衛反応が強すぎる
- 副交感神経系と中枢神経系の機能的な特徴
- 神経活動の抑制の低下
などなど、原因として研究がなされている報告が少しずつ増えてきました。とても勉強になります。
特に神経活動の抑制の低下については、とても納得のいくものです。
感覚過敏の一端には,刺激の過剰な時間分解能が関係し,その背景には脳内の時間情報処理と感覚過敏に共通する領域における強い神経の興奮が関わる可能性が示唆されている.ASD 当事者は,蛍光灯を見た時,それがチカチカして鬱陶しく感じるとしばしば語り,それが常同行動を誘発する一因になっている
https://www.jcss.gr.jp/meetings/jcss2018/proceedings/pdf/JCSS2018_OS04-2.pdf
報告は脳や神経に原因があるものか、原因は明らかになっていないというネット記事が多いです。
さて、原因が脳や神経接続にあると仮定して、どういう対策があるのでしょうか。
対策:原因を取り除く
聴覚過敏への対応
- 大きな音から離れる・イヤーマフをつける
- 気分が悪くなったら外に出る
触覚過敏への対応
- タグを切り取る
- 固有覚を使う遊びをする
視覚過敏への対応
蛍光灯を変える・サングラスをかける
嗅覚過敏への対応
強い臭いにはマスクをする
など。過敏な状態とは刺激が強いということです。
強すぎる刺激はストレスになります。環境を変えましょう、逃げるが勝ちです。
ほかにも・・・
事前に説明する
- 「これから大きな音がするよ」
- 「これから足を触るよ」
- 「少し寒い所に入るよ」
など。事前に説明することで心の準備をしてもらいます。準備ができていれば防衛反応を抑えることが出来るケースがある。
偏食への対応
まずは食べられていることをほめましょう。そして少しずつ食べられるものが増えてくれることを待ちましょう。無理に食べさせることは効果がありませんのでやめましょう。
まとめ
このように、感覚過敏への対応をしながら生活を送っていくことになります。原因を取り除くことは難しいことが多いですし、工夫しながら生活していかなければならないことが多いでしょう。過敏性はどうしても耐え難いストレスに繋がりやすいです。実際に私も嗅覚過敏が強めで、電車などの空間で香水が強い人が周りにいると耐えられません。かなり体調が良くて、口呼吸をしながら過ごすことや、マスクをしていれば耐えられることもありますが、即効性のある対策は逃げることです。
過敏性は治るものではありませんし、和らぐことも難しいでしょう。何とか対策していかないと、日常生活を送ることすら困難になり得ます。
何度も言いますが、具体的に出来る対策をしながら生活することをイメージしましょう。
コメント