【発達障害】防衛反応を抑えるには大脳辺縁系と大脳皮質を育てる【運動療法】

発達障害
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防衛反応とは

防衛反応とは、過敏に反応すること。

触覚では、自分からは触れられるのに人に触れられることを極度に嫌がったり、ハイネックの上着が着れなかったり。
聴覚では、大きな音を極度に嫌がったり、工事のガリガリ音が気になったり。
前庭覚では、ブランコを極度に嫌がったり。
通常では気にならないレベルの感覚に対しても過敏に反応してしまう状態像です。

過敏性とは

脳の神経伝達で、抑制的に働かせる伝達物質が少ないことが原因と考えられています。最近では過敏性の研究も進んでいるとか。

その過敏性な状態は、本能的に不快な状態だと言えます。快・不快を司るのは大脳辺縁系です。

乳幼児の発達で言うと、脳幹レベルで生きてきた赤ちゃんは、脳が発達してくると、本能・情動の活動が始まります。

例えば、オムツが濡れて気持ち悪いことに対して(=不快)、赤ちゃんは「泣く」という行動をする。そして、オムツを替えてもらい気持ち悪さが無くなることで(=快)、「泣き止む」「笑う」といった行動をする。

このような経験を通して、本能・情動を司る大脳辺縁系を育てていきます。

自己防衛本能が強く出る

自己防衛本能とは、例えば犬が他の犬に吠えられた時、自己防衛本能としての行動をします。それは吠え返すという攻撃行動(闘争)、逃げるという逃避行動(逃走)、硬直(固まって動けない)などの行動として現れます。これは人間にも同じであり、「わが身を守る行動」を自己防衛本能と呼びます。「身体的な苦痛」や「精神的な不快」など、生命維持に関するものを本能的に回避しようとします。

学生さんに前に出て発表してもらうと、緊張のあまり固まってしまうことがあります。これも防衛本能でしょう。

自己防衛本能は、「一定の閾値を超えた強い刺激入力」や「突然の変化」といった環境に対して起こります。

触覚過敏も自己防衛本能のひとつです。

  • 歯みがき・爪切り等を嫌がる
  • 帽子・靴下などの身に着けるものを嫌がる
  • 人から触れられることを嫌がる
  • 砂や糊などのチクチク・ベタベタするものを嫌がる
  • など。

自己防衛本能が働くと、・・・

  • 人見知り
  • 攻撃的
  • 失敗を恐れる
  • こだわりが強い
  • 等として表れます。

自己防衛本能は辺縁系の働き

赤ちゃんは自分の身体と環境との相互作用の中で脳を発達させていきます。ここでのポイントは、快・不快によって行動を選択するということ。

快の感触は積極的な動きに繋がり感覚や大脳新皮質の発達を促します。

不快な感触は身を守るために自己防衛本能が働き、闘争もしくは逃避反応につながる指令を脳幹や脊髄に出し、興奮や多動などの行動が現れます。

つまり、過敏性は防衛反応の一つであり、それと同時に自己防衛本能が働いているのではないかと考えます。それが大脳辺縁系の働きです。

原始系と識別系とは

原始系と識別系の感覚という概念があります。

原始系とは、本能的な反応のこと。触刺激等に対する、身を守るための反応。

識別系とは、より高次の探索的な活動をしていくための情報処理を支える感覚。

例えばカバンの中を見なくてもスマートフォンを取り出せるように、ポケットの中から自転車の鍵だけを取り出せるように、形・大きさ・素材などを感じることによって識別できます。

識別系を育てて原始系を抑える

この識別系が働く状態になると、原始系の反応は抑えられます。

発達障害では、この原始系の働きを抑制できないために、本能的な防衛反応として表れると考えられます。

原始系の働きを抑制するためには、識別系の働きを高めていくことが重要です。

大脳辺縁系を育てる

もう一つ大事なのが、大脳辺縁系を育てるということ。子どもが発達していくためには、安心を感じた状態で動くこと、遊ぶこと。

これで皮質が育つベースが出来ます。

皮質を育てる

探索的に使い、皮質を育てることで識別系を伸ばしていきます。

皮質を育てるには、感覚と運動(動作)を合わせていくことが重要です。つまり、課題を持って運動していくことです。

運動の内容は他の記事をご覧ください。

などなど。

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