【OT学生】戦国大名に学ぶ学生指導のホトトギス【実習】

作業療法実習
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今回紹介するのは学生指導での方法論について。

しかし学生指導だけではありません。子どもの教育にも使えますし、後輩育成にも使えます。さらには高齢者のケアにも使える内容だと思っています。

 

Contents

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ホトトギスとは

戦国大名の性格を現した俳句です。誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。

どうしてもホトトギスの鳴き声が聞きたいが、鳴いてくれないホトトギスを目の前に、鳴かせるためにどう行動するか。それぞれ戦国大名のイメージをもって作られた、有名な3名のホトトギスを紹介していきます。

織田信長

鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス

力づくで物事を進めて、相手が自分の思い通りにならなければ殺してしまう。なんとも強引な人柄が表現されています。もちろん『殺してしまえ』とはいきませんが、『強引な手法』を使う人はたくさんいます。

 

豊臣秀吉

鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス

色んな手段を使い、鳴かせてみせる。それもかなりの自信を持っている様子です。相手をどうにかして動かすだけの手法を持っている、ということでしょうか。

 

徳川家康

鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス

忍耐強い、機を待っていたとも言われる家康。信長と秀吉が亡き後の方が天下を取れると踏んで、耐え忍んだそうです。

 

学生指導の際に、私が意識しているのはどの大名でしょうか??

 

私が意識したホトトギスは…

全部!です。

全部意識していますし、全部経験してきました。具体例を上げて紹介していきます。

 

課題をしないタイプ

毎日の課題として、

  • 見学したことを書いてくるレポート
  • 症例レポート
  • その他気になることを調べてみる

などがあります。

課題をしないタイプは、これらを家でやってきません。与えられた課題をしないということは、社会人としては与えられた仕事を放棄することです。

課題は必ずやってきてください。

さて、そんな課題をしてこない学生に、どうしたら課題に取り組むのかを考えます。

 

課題をしてこない理由

課題をしてこないことには、何らかの理由があると思います。学生が課題をやってこない場合、こんな裏側が考えられます。

『めんどくさいからやりたくない』

『勉強なんか面白くない』

『やる気がでない』

正直この状態で実習に来られても打つ手がありません。学生は学校でやる気を出してから実習にきてください。学校は学生をしっかり教育してから送り出してください。これは学校の責任です。やる気を出させるのはバイザーの仕事の本質ではありません。バイザーの仕事は学びを与えることです。もちろん、やる気がないからといって教えることをしないわけではありません。学ぶためのやる気を上げていくのもバイザーの仕事です。しかし学びに来ていない学生には対応しきれません。

あの有名な林修先生がテレビで言っていたことですが、『お金を払って学校や塾に通っているのに、勉強しないなら無駄でしかないので辞めたほうがいい。』と。その通りだと思います。

やや極端な意見ではあります。例えば、学ぶためのやる気を出せたとして、学ぶ体勢になってもらえたら良いですが、やる気が出せず学ぶ体勢になれない学生さんも多いです。

 

「どうやったら課題やってきてくれるの?」

 

とダイレクトに聞いたことがあります。その答えは

 

『いやー、どうにも難しいですね…』

 

でした。

これではバイザーとしてもアホらしくてやってられません。バイザーが熱意を持って指導していても、このケースだとどうやっても上手くいきません。

ちなみにこのケースは学校に戻ってから単位をもらえなかったそうです。たとえ単位をもらえたとしても、こういうケースは社会に出た時にどこかで躓くでしょう。

 

信長方式の学生指導

信長方式では強引に課題をさせてみます。

『今日の課題は5つ。全部やってきてね。』

『土日で全部仕上げてきてね。』

『やってこなかったら実習中止。不合格。』

なんとも乱暴なやりとりになってしまいます。もちろん、やってこなかったからといって不合格にはしませんし、実習を中止したりもしません。しかしこの手を使っていると、どんどん当たりが強くなっていきます。

『これだけ言ってるのに課題やってこない…』とイライラしてきます。そのイライラが学生にぶつけられていきます。悪循環ですね。

バイザー経験が浅いうちはこんなやり方になっていました。もうお分かりの通り、これでは上手くいきません。どれだけプレッシャーを与えても、罰を与えても、課題をやってきません。

信長方式にはデメリットが多いように書いてきましたが、こういう強引な方法の全てが悪いとは思いません。目標に到達するため・目的を達成するためには、多少強引にでも指示をして『させていく』ことは大事だとも思っています。

 

秀吉方式の学生指導

『今日の課題は3つ。1つ目は○○、2つ目は○○、3つ目は○○。それぞれ①と②と③と④について教えたことを書いてきてね。』

『今日は少なくするから、明日は症例レポート頑張ってきてね。』

具体的に指示を出してみます。具体的に指示をだすことは当たり前のことなのですが、あえて書いておきます。

課題の内容を紙に書いて渡すのも良いです。

具体的な指示がないと出来ない場合があり、具体的な指示があることで頑張れる場合があります。指示に強弱を付けながら出してあげましょう。具体的に指示を出さなくても、必要な事を理解して自分なりに課題に取り組める学生もいます。そのような学生であればバイザーも楽しく実習を進めていけます。

課題の量を増減させて息を抜ける時間をつくる。これも1つの手です。どのタイミングで課題を減らすか、もしくは増やすか、見極めて指示しましょう。

 

家康方式の学生指導

学生が課題をしてくるまで待ちます。しかし、ただ待つだけではありません。家康のようにチャンスを待ちます。

課題をしてこなかった場合や与えた課題を全てできなかった場合、『そうかー。難しかったのかな?』等とスルーします。『やってこないとダメでしょ!』とは突っ込まないようにします。突っ込むと余計やってこなくなります。

次にフィードバックや治療場面などで学生のアハ体験を探ります。理解したポイントや面白いと感じてもらえた事を探っていきます。良いポイントが見つかったらチャンスです。それを中心に課題を構築しましょう。

チャンスに上手くハマってくれたら、課題をやってきてもらえることが増えます。このチャンスを見つけられるかどうか、バイザーの腕の見せ所でしょうか。

学生に役割を与えるのも良いです。役割を果たして効果が出たら嬉しくてまたやりたくなります。私のところでは子ども用の遊びを考えてもらいます。盛り上がれば学生も楽しくなって次を考えるようになります。

家康は家臣を信じて色々な仕事を任せていたといいます。学生を信じて色々任せてみるのも良いでしょう。

 

学生指導のコツ

むりやりこじつけたみたいになってしまいましたが、結局はいいとこ取りで学生指導していくだけです。当然ながらこれで全ての学生指導が上手くいくわけではありません。学生に合わせた指導が必要ということです。ある程度の指導手法を持ちつつ、少しでも学生の性格や特性を掴めるとより立ち回りやすくなります。

バイザーはできる範囲で学生を引き上げる努力をしましょう。

学生はただただ努力しましょう。

それだけで良い方向に向かいます。上手くいってる実習は楽しいです。

 

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