作業療法 実習

【OT学生】実習で学生がやるべきこと。バイザーがやるべきこと。【実習】

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理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のリハビリテーション専門職の養成校カリキュラムには、評価実習と臨床実習に行かなければなりません。

評価実習は学校が3年制ならば2学年で、4年制ならば3学年で4週間程。臨床実習は3年制ならば3学年で、4年制ならば4学年で8週間程。

ホームの学校を離れて、一人でアウェーの病院や施設などで長期間過ごすことになります。朝から晩まで緊張の中に居て、家に帰ればレポート三昧。

実習とは、なかなかに厳しいものです。

学校での成績が良ければ楽にクリアできるものでもありません。逆に学校の成績が良くなくても楽しめる場合もあります。これは実習地が優しいからではありませんし、バイザー(指導者)との相性でもありません。学生の資質だと思います。

今回はそんな実習のことを書いていきます。

 

実習の意義

評価実習・臨床実習を経て、国家試験をクリアできれば、4月から現場で働くことになります。

社会人として当たり前のことですが、どんな仕事においても責任を持って仕事をするということが必然です。我々の責任とは、患者さんに対して技術をもって還元するということ。

リハオーダーが出て担当が決まったら、評価してアプローチ内容を考えます。評価は客観的でかつ正しく行う必要があります。正しく評価が出来ていればアプローチ内容も必然的に正しいものになるでしょう。

様々な分野において、作業療法のプロセスを学ぶことが実習です。

この実習の意義を理解できない学生が意外と多いです。昔から一定数いたのか、時代の流れで増えているのか。学校での教育だけでは獲得できないものもあるでしょう。

 

リハビリ実習は厳しいもの

理学療法・作業療法の実習は厳しい。

眠れない。寝る時間を与えてもらえない課題の量。

理不尽。不条理。イジメ。イビリ。パワハラ。モラハラ。セクハラ。

手伝いばかりでパシリ扱い。

ブラック企業よりもたちが悪い。

などなど………

まさにその通りです。私も学生時代はそう思っていましたから。沢山の理不尽がありましたし、課題に追われていましたし、寝られない日々が続きました。

リハビリ実習は厳しいと思います。まさにブラック実習。でも、そう判断する基準ってどこなのでしょうか。

 

実習をクリアする基準

これまでの実習では、合否の決定権はほとんどバイザーにありました。バイザーが『中止』といえば実習中止。『不合格』と言えば単位はもらえず。『留年もしくは退学』という扱いでした(あくまでも私の時代は)。病院Aでは合格する基準に達していても、病院Bでは不合格になる基準。それっておかしな話だと思います。

言わばバイザーのサジ加減で決まるということで、合否の基準はバイザーによって変わります。だから実習地の『アタリ』『ハズレ』という言葉があるのだと思います。

優しいバイザーはアタリ、厳しいバイザーはハズレ。じゃあ、何も教えてくれないけど合格をくれるバイザーはアタリですか?課題を提出しない学生に熱意をもって指導した結果も変化なく課題を提出せず、泣く泣く不合格にせざるを得なかったバイザーはハズレですか?

基本的にクリアするべきラインがあります。そのラインを超えられないと単位を与えることは出来ない。という判断をするのはバイザー。実習で付けられた点数を学校に持ち帰って、そこから総合的に判断をされます。最終的に合否を決めるのは学校です。

しかし今の時代は変わっています。

バイザーが、客観的にクリアできるラインに達していないと判断した場合でも、学校が合格を出す場合があります。バイザーの主観で判断されたとみなされるということでしょう。まるでバイザーが悪だと言わんばかりのこともあるそうです。

もちろん、バイザーは客観的に判断しなければいけませんし、クリアする水準まで引き上げるよう指導することが責務です。それらをせずに合否の判断された場合はバイザーが間違いと言えます。

学生の皆さん、やるべきことやってますか?課題出していますか?調べ物をして知識を増やしていますか?教えてもらったことをレポートに書いていますか?

バイザーの皆さん、学生のレベルに合わせた教え方をしていますか?無駄なプレッシャーを与えていませんか?知らないうちにパワハラしていませんか?

学生は教えてもらって当たり前です。バイザーは教えて当たり前です。でもバイザーは学生のレベルに合わせた指導をします。つまり学生の能力が伸びるための指導をするのです。伸びた先には実習をクリアする基準があります。そこまで導くことがバイザーの仕事、そこに到達することが学生の仕事。

卒業したら臨床の場に出るのですから、臨床で使える知識や技術を学ぶのは当たり前です。学生さん、学んでますか?楽に通る実習はありません。

話が逸れましたが、バイザーが適正に指導するための基準でもあり、学生が真っ当な評価を受けるための基準を作るべきです。

 

点数化

基本的にクリアするべきラインがある。これは客観的に分かるものでないといけません。

バイザーの主観が入るとパワハラと言われかねません。学生の主観が入ると現実を認識出来ていないことが多いです。

だからこそ、客観的にクリアするべきラインを決めなければいけませんし、それをお互いに確認しておかなければいけません。

例えば点数化される基準として…

遅刻、欠席、報告連絡相談、などの社会的ルールを守ることができるかどうか。

課題の提出義務、レポートの提出義務、発表の義務、などの提出義務を守ることができるかどうか。

評価の正確性、適切な目標設定、評価からアプローチまでの作業療法プロセス理解度、などの具体的な作業療法士としての技術と知識を統合して思考できるかどうか。

これらをどうやって点数化するのか。これがバイザーの主観で決められています。そして学生の主観と比べて大きな乖離があります。学生は自己評価が高く、バイザーは主観で厳しく採点する。

客観的にクリアするべきラインに達している場合でも、バイザーの主観で点数が下げられる。客観的にクリアするべきラインに達していない場合でも、学生の主観で点数を求める。

どちらも上手くいきませんよね。

客観的にクリアするラインの1例として、レポートでも測る必要があります。しかしレポートこそ個人差がありますし、レポートを読み取るバイザーの資質にもよります。

曖昧なことばかりですね。

 

具体的な指導の方法

これまで客観的な指標が大事と言ってきましたが、具体的な指導方法はバイザーや実習施設によって違うと思いますし、違って良いと思います。その理由は分野が違うこと。病院や施設によって対象も違えば、リハビリの目標は違います。病院や施設によって特色も違います。

それぞれの良い点を活かした実習にしていけると沢山の視点が勉強できて理想的ですね。

ちなみに、指導とは…

ある目的・方向に向かって教え導くこと。

指摘とは…

大切な点や注意すべきこと、欠点や過失などを具体的に取り上げて指し示すこと。

であり、

『学生に対して無理難題をふっかけて出来ないからダメだと指導すること』

ではありません。それはイジメです。

『出来ないだろう課題を与えて、出来ていないことを指摘する』

でもありません。これもイジメです。

バイザーは、学生のレベルに合わせた指導の方法を選択しないといけませんし、学生の性格にも合わせる必要があります。

その上で伸びた点を評価してあげることが必要なんだと思います。

 

学生を守ること

理学療法士養成校の実習で自殺された方がおられました。なんとも痛ましい事件で、あってはならないことです。

私の周りには、途中で学校を辞めた者もいますし、私が指導した学生でも卒業後に作業療法士として働いていない者もいます。

作業療法士にならない選択肢もあるということです。逃げ場は持っておきましょう。

ブラック実習やパワハラなどと言われることは昔からありましたが、バイザーはその自覚がない場合が多いです。

バイザーの皆さん、逃げ場は持たせてあげましょう。たとえ逃げたとしても、戻ってきたなら迎えてあげましょう。

学生を守ることは指導者の責務です。今一度、指導方法を見直してみましょう。

 

バイザーを守ること

『態度面ばかり指摘されて、内容については放置されていた』

『一生懸命やってたのに、何も教えてくれなかった』

『質問したことに対して、“そんなことも知らないの?”と鼻で笑われた』

『怒鳴られてばかりで怖かった』

などなど。学生からバイザーに対しての問題提起がよくあります。

その通りであれば、申し開きできない程のことです。バイザーが悪いと言われても仕方ありません。

態度面を指導することは大事なことだとは思いますが、そこまで必死に指摘することでもないと思います。もちろん態度面を指導することはありますが、大して効果はありません。態度面を指導するのは学校の仕事です。それに、態度の悪い人は社会では許されることが少ないので、いずれ淘汰されるでしょう。

学生は知識・技術について、知らなくて当然だと思いますし、教えられることは全て教えます。理解度に合わせて教えますので、学生によってパターンを変えます。

怒鳴ることは全く無意味ですし、怒ることにもあまり意味がありません。追い詰められるか、萎縮してしまうか、反感を買われるか、そんな程度…。良い効果なんてありません。叱ることはあります。

客観的にバイザーが悪くないのに、バイザーが『悪』として認識される場合が多々あります。学生本人から、学校から、親御さんまで。

『きちんと出席してるのに不合格だなんて』

『課題の量が多すぎる』

『学費払ってるのに不合格なんて許せない』

バイザーが指導面で最大限に気をつけた上で、導くための指導を適切にしている場合でも不合格になることはあります。その大体が、課題をしない場合です。

どれだけ態度が悪い学生でも、課題の提出がしっかり出来ていて、かつレポートがクリアする基準を超えていれば実習は合格するべきだと私は思います。技術をもたない良い人と、技術を持つ態度の悪い人、障害を持った自分の人生を預けるならば、どちらにリハビリしてもらいたいですか?

少し話が逸れました。

どんな理由があろうと、課題を提出しないことはありえません。社会で例えるならば、与えられた仕事をしないということと同じです。出来の良し悪しではないのです。やるかやらないかです。

どれだけ真面目に出席していても、レポートを出さずに単位をもらえる訳がありません。レポートのレベルが基準をクリアしていない場合も単位はもらえないでしょう。

テストに名前だけ書いて合格するはずがありません。学費払ってるなら必死に取り組んだら良いのに、と思いますが…。

なぜこんな単純なことが理解できないのかがわかりませんが、こういったケースは多いです。クレーマーと同じですかね。理解が追いつかないから自分の主張だけを通そうとするのでしょうか。

先にも書きましたが、そんなクレームを学生側の関係者が真に受けられる場合が多いです。これはバイザーとしてはたまったものではありません。逆ギレも良いところです。

学生を守ってくれる体制は出来つつありますが、バイザーを守ってくれる体制はどうなのでしょう。誰がモンスタークレーマーから守ってくれるのでしょうか。

バイザーの皆さん、指導した内容は記録に残しましょう。証拠集めみたいで嫌なことですけれど、形に残すことは大切なことです。

学生さん、最低限のことはやってきてください。やるべきことを怠けて、主張を通すのは格好悪いです。人の人生を左右する仕事を任されるのです、最低限の基準に達するよう努力が必要です。

 

学生をその気にさせるコツ

とは言え、学生が能動的にやる気を出せるかというとそうではないことも多いです。学生をその気にさせることも必要なのでしょう。

このコツは、学生指導だけではなく、子どものしつけにも使えます。後輩育成にも使えます。なんと高齢者のケアにも役立ちます。

1つ目は『認めること』です。認められると人は動き出します。

2つ目は『役割を与えること』です。役割通りに人は動きます。

どこまで出来ているか、どれだけの努力をしたか、頑張ろうという気持ちがあるか、全て認めましょう。苦手なところは指摘しましょう。そして具体的に改善策を指示しましょう。見通しを立たせて、具体的な指導をすることが大切です。それが目標になります。『闇雲にガンバレ』って言っても、それには目標がありません。目標がなければ役割を理解できません。具体的な目標を持たせることが大切です。

しかしながら、どれだけ情熱を持って指導しても、響かない学生は多いです。特に最近は増えているように思います。

実は、やる気のない学生を実習中にその気にさせるのは、かなり難しいことです。学内で2年・3年と過ごす中で導けなかったものを、たかが4〜8週間の実習で導けるとは思えません。学校が導いてから実習に出してほしいものです。

とは言え、良い方向に導けるケースもありますし、実習途中で覚醒する学生もいます。人それぞれです。

 

まとめ

バイザーは学生に合わせた指導をする。パワハラ・モラハラは許されない。

学生はやるべき課題を必ず提出する。提出モレや逆ギレは許されない。

お互いに明確なルールを守るだけです。

 

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