新聞や書籍などメディアでも注目され始めている発達障害。
最近は「大人の発達障害」も多く取り上げられています。ネットでも良く見られるようになりました。
今回は子どもの発達障害についてまとめていきます。
「発達障害」などというキーワードで検索されてこのブログにたどり着いた方は発達障害がどんなものかはご存じでしょう。
私も発達障害の分野で働いていますので、なんとなくは知っています。
発達障害をよく知らない方は読んでみてください。
発達障害を知っている方も、ここで一度整理してみませんか?
運動療法のことも少しずつ書いていきます。
Contents
発達障害の定義
何を持って発達障害というのか。
定義を確認していきましょう。
発達障害とは、発達障害者支援法には「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。
文部科学省HPより引用
脳機能の障害ということが記されています。
以前は「親の育て方が悪いから」などと言われることもありましたが、それは間違いですね。
原因
上にも書きましたが、何らかの脳機能の障害です。
まだまだ十分に解明されていない分野です。
遺伝子のたんぱくに異常がある、周産期のトラブル、出産後の低体温や低栄養状態、などなど、様々なことが原因として考えられています。
これも研究で明らかになっているものや、そうでない不確定なものも沢山あるでしょう。
神経科学の分野で、今後ますます研究が進んでいくことを願います。
分類
広汎性発達障害(PDD)
自閉症スペクトラム障害(ASD)
学習障害(LD)
など
昔は広汎性発達障害と呼ばれていたものが、今は自閉症スペクトラム(連続体)障害と診断名がつくことが増えてきました。
スペクトラム(連続体)とは、知的能力や症状などに強弱があったり、広がりに差があったりする、「連続性」があるということ。
つまり、同じ障害でも程度が違い、「発達がでこぼこ」しているということ。
それぞれの特徴や特性などは、個別にまとめていきます。
診断
保護者からの聞き取りや、保育所からの情報、発達検査の結果など、様々な情報を総合的に判断して、それぞれの特徴を踏まえた上で、医師が診断名を付けられます。
症状と特徴
例えば、障害名が「自閉症」だからといって、「多動でない」とは言い切れません。
- 自閉の要素が強い
- コミュニケーションの問題が大きい
- 多動の傾向が強い
- 不注意の傾向が強い
- 知的能力が低い
など、同じ診断名であっても表に現れる症状は全く違う場合もあります。
あくまで、「そういった傾向が強い」ということです。
多動のある子でも、しっかり話を聞くことが出来る子もいます。
大事なのは、どういう特性を持っていて、どのように対処していけば良いのか。
これを知って実践していくことでしょう。
もちろん、持っている特性が良い方向に進む場合もあるでしょう。
それはどんどん伸ばしていくべきポイントです。
治療
発達障害の根本的な治療法は現時点ではありません。
そもそも発達障害は病気ではなく、何らかの脳機能の障害です。
薬物療法もありますが、療育や運動療法が主体になります。
療育
発達障害を持つお子さんが躓きやすいのが、
- 社会性の障害
- コミュニケーションの障害
- 想像力の障害
いわゆる三つ組と呼ばれるものです。
それらの問題点に対して、
- 人との関わり方
- 問題解決の方法
- 非言語的コミュニケーション
- 想像力を養う
- 相互的な遊び
などの要素を考慮したプログラムを立て、個別または集団にて療育をしていきます。
運動療法
発達障害を持つお子さんによく見られる、発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder = DCD )というものがあります。
明らかに身体的に問題が見られないが、身体を使う運動が難しい症状を指します。
例えば、
- 両足を揃えてジャンプが出来ない
- ケンケンが出来ない
- 片足立ちが保てない
- ボールを片手で投げられない
- ボールをキャッチできない
- はさみが上手に使えない
- 鉛筆でマスの中に文字を納められない
などなど。沢山あります。
これらが発達性協調運動障害、DCDと言います。
ただ単に運動が苦手な訳ではありません。
寝返りが遅い、座りが遅い、ハイハイが下手、立ち上がりが遅い、歩き出しが遅い、、、
これらもDCDの一つであると考えることが出来ます。
- 目と手の協調動作が苦手。
- 手と手の協調動作が苦手。
- 手と足の協調動作が苦手。
- 体幹と足の協調動作が苦手。
運動や遊びが苦手な裏側には、このような要素があります。
それぞれが上手く連動していないということです。
原因として考えられているのは、感覚と運動のミスマッチです。
詳しい話はまた今度。
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